無題

新しく買った流行りのリップは
毒にも薬にもならない
くすんだ色の唇をぬぐう
嘘を言うのにも慣れたみたい

君のことが好きで
でも
君が僕の僕が君の
一部になるのはおかしいでしょう
そんなこと端から解ってたのに
その気になったらあーもう駄目だ

可愛く甘えるのはムリだから
せめて可愛く諦めたいよ
からきしの自尊心を纏って、
過去にもらった屈辱を
靴底に敷いて、履いて
今日も私は背伸びをするの

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